真珠 〜宝石の本質は「色」と「輝き」です。

PERAL
真珠イメージ

日本人にとって身近な宝石である真珠は、古代インドの神話や旧約聖書にも登場する人種・国境を越えた宝石です。また人類最古宝石であるとともに、「自然のままでその完璧な美しさを誇る」(クンツ博士)宝石です。

では真珠はなぜできるのでしょうか?

その答えは、貝という動物は自分で貝殻を作ることができることにあります。貝には外套膜(がいとうまく)という貝殻を作る器官を持っています。この外套膜が何かの拍子に切れて、その一部が体内に入るとします。そうすると、外套膜は体内で生き続けるだけでなく成長を始めます。

そうして外套膜が袋状になると、本来の機能を取り戻し、袋の中で貝殻をつくり始めます。これが真珠のできるメカニズムです。

よく天然真珠は貝の中に砂や小石が偶然入ってもできる・・・などといわれることがあります。
貝の体の中に真珠袋が作られないと真珠はできません。(外套膜の一部がないとできません)養殖真珠の神様、御木本幸吉の偉大なところは、貝の外套膜の移植(一種の臓器移植)を発明したことにあります。

 

はなだま
花珠
養殖真珠は一般に核と真珠層から出来ています。

その真珠層というのは、カルシウムの極めて小さい結晶がたんぱく質のシートに挟まれて何百、何千層と同心円状に積み重なった構造をしています。

透明なセロハンを何枚も重ね合わせると色が出てきます。これと同じようにたんぱく質のシートが何百枚、何千枚と重なり合うことで真珠の色が現され、その重なりの多いものほど、深い色が出てきます。この重なりの厚さを「巻き厚」といいます。

真珠の構造色はピンクとグリーンの二つです。一つの色がきれいに出ていることもありますし、二つの色が共存している場合もあります。美しい珠は真珠層の奥深くからピンクともグリーンともいえない鋭い輝きを出します。

「巻き」が厚く、「形」が真丸で、「光沢」が強く、「キズ」が少なく、連相の調和が美しいネックレスを花珠真珠と呼びます。
ナチュラルホワイト
(無調色真珠)
真珠の生産過程で重要な工程が「調色」です。これはそれぞれの真珠が持つ色を整えたり、より美しく見せる目的でほとんどの真珠に行われています。

実際にシミの多い珠などがこの工程を行うことにより美しく生まれ変わります。真珠ネックレスをすでにお持ちの方は多数おられるでしょう。そのほぼ100%は調色されている真珠だと思います。

そういった現状の中で、自然のままの美しさを備えた真珠、つまり調色をしてない真珠があります。これをナチュラルホワイトと呼びます。ナチュラルカラーは無調色のため、年月を経過しても色あせることも少なく、天然に最も近い養殖真珠といえます。